骨盤底筋の役割 ~縁の下の力持ち~

 ここ数年、ヨガやピラティスの教室で「骨盤底筋を鍛える」というフレーズをよく目にするようになりました。

骨盤底筋ってなんだろう・・、でも骨盤底筋ってきっと大切なんでしょ?とは思いますよね。

今回は「骨盤底筋の役割」について分かりやすく解説します。

■骨盤底筋の場所

骨盤を上から見た図です。ピンクに塗ってある部分が骨盤底筋です。

膜のような形の筋肉で、骨盤の下の方(尾てい骨や座骨を)つないでいます。

前後・左右の方向に広がっていて、体のあらゆる方向へ連結しています。

■骨盤底筋が緩むとは?

果物が沢山はいったカゴをイメージしてください。カゴの底部分が骨盤底筋です。カゴのなかにリンゴ、バナナ、梨、メロン、スイカ・・・などたくさん入れて運ぶと想定します。カゴが新しいうちは沢山入れてもたわむことなく比較的しっかりしていますが、何度も使っているうちにハリがなくなり伸びてたわみます。だんだん中の果物も中心に集まって形が崩れやすくなります。それが骨盤底筋が緩んだ状態です。

■果物を体に置き換えて考えてみる

骨盤の中にある臓器(小腸・大腸・膀胱・子宮)が果物です。ヒトの体はさらに胃や肺、肝臓などが乗っています。

そこに食べすぎや便秘でさらに重量が増えます。腸の重さは正確にはわかりませんが、小腸の長さは6~8mともいわれています。菌もたくさんいて水分も豊富で・・きっとそれなりに重いはず。子宮も妊娠をすれば最大で5kg近く重くなります。

もう想像ができますよね。ヒトの骨盤底筋は常に重力に逆らって内臓を支える負担にさらされています。

■骨盤底筋はどうして「筋肉」なんだろう

これまでの話で骨盤底筋は、骨盤の一番下(底面)の部分で臓器(腸、子宮、膀胱)を支えていることが分かりました。

あれ?支えているだけ?

それなら筋肉じゃなくてもいいですよね・・・。例えばラップのように「膜」とか。

そう、膜だったら緩みにくく伸びにくいかもしれません。

ここで重要なことが!!

骨盤底筋は尿道や肛門という出口(穴)を締めたり緩めたりする必要があります。

ただ支えているだけではなく、緩んだりしまったりして体を守っています。

膜ではこの「伸び縮み」がうまくできません。

■役割は2つ!

ここまでの話をまとめると、役割①は臓器を支えて肛門や膣からはみ出てこないようにしていることです。

役割②は必要に応じて出口を開閉していることです。

骨盤底筋が弱くなると、臓器を支えられず脱腸、子宮脱や膀胱瘤になったり、尿漏れを生じるのはそのためです。

■骨盤底筋は「いつ」働いているのか

 答えは「無意識」のうちに「いつでも」です。でも、多分これまでの人生で骨盤底筋を意識して生活をしてきたという方は殆どいないと思います。「支えよう」とか「開閉しよう」と考えて行うものではないからです。だからこそ、すこし意識を高めるだけで働きが良くなります。

■骨盤底筋を鍛えるとどうなる?

・尿漏れが治る

・臓器脱(陰部の違和感)が良くなる

・更年期症状が緩和する(陰部の乾燥や冷えなど)

・ポッコリお腹がへこむ

・姿勢が良くなる(美しくなる)

・代謝が上がる

・足のむくみが改善する

・冷え症が治る

・腰痛が緩和する

・肩・首こりが緩和する

などなどいいことだらけ!早ければ数時間で効果が出ます。遅い人でも1カ月。適当に(程度にもよりますが・・)やっても3ヶ月で効果が出ると言われています。

■トレーニングのポイント

骨盤底筋は、自分では見えにくい分、筋肉の特徴を理解するとトレーニング効果がグンと上がります。筋肉の場所と働いている瞬間の感覚を掴んで続ければきっと効果が出ます。

■放置したら・・・

緩んできていることが分かった状態で放置すれば、尿漏れや骨盤臓器脱、ポッコリお腹は悪化します。自然に治ることはありません。その速度は「あっ」という間。更年期を過ぎると特に早いです。「出産」「更年期」「シニア」のタイミングでトレーニングすることをおすすめします。